はじめまして兼濱淳子です。縁あって主人の仕事の手伝いをする中で''漆''と出会いました。ここでは漆と出会ってからのエピソードやどういったことを日々思い、考えながら漆と付き合っているのかを綴ってみました。
漆の可能性たるや無限ではないか思われるほど、すごい広がりをもっています。まだまだ未熟で漆のすごさを十分にお伝えできないのですができる範囲の中でお伝えします。漆が決して皆様とかけ離れた世界のものではなく、もっと身近なものであると言うことを知ってもらえればと思っております。
日本刀文化と漆は切っても切れない関係にあります。それにもかかわらず現在では鞘塗として発展しつづけてきた「変わり塗り」が非常に少なくなってきています。
 
漆との出会い

私と漆との出会いは出来ればドラマチックでありたかったのですが、それとはまったく無縁でした。主人(兼濱清周)が「切り出し小刀を作るから、その上に昔から錆び止めとして使われていた漆を使って何か加飾してみたらどうかな?」という一言が事の始まりでした。
たまたま自宅から車で20分ほどの所に沖縄県の工芸指導所という所があり、主人の”出張命令”によりそこに通い漆の勉強をすることとなったわけであります。何せ自分で言うのもなんですが絶対に器用、不器用に分類した場合確実に不器用に属し、図工も苦手だった私めが日々漆と奮闘するわけとなったのであります。私が研修生として入学したときの同級生は28歳の男の子で器用!!器用!!器用!! 私めはただただひたすらに毎日、毎日、一生懸命やるだけでした。馬鹿げた質問だって思われても今聞いておかなければという思いで笑われても質問したりしていました。先生はとても熱心に教える方で、時に怒鳴られたりきつい言葉を言われてりし、端から見ている方のほうが辛かったようです。そんな先生から唯一誉められたことは「長時間似たような作業を座り仕事で飽きもせず続けていられるから、やっぱり漆の仕事に向いているかもしれないよ」ということでした。本当に嬉しい一言でした。この通り一生懸命だけがとりえの私めです。研修生時代もミスターチルドレンやスピッツをBGMとしてただただひたすらにやってきました。”漆”と触れることにより自然に目を向けることがいっそう増えてきました。そして一つ一つの自然のもっている美しさは本当にすごいなと思っています。だから私の中ではその自然の美しさを少しでも取り入れていけたらと思っています。私が何よりも願っていることは、より多くの人々に作品を見てもらいたいし、私も皆さんが喜んでくれて感動するような作品を作っていけたらと思っています。そして又、小刀の一本一本それぞれにに秘められた思いを感じていただければ幸いです。支離滅裂になってしまいましたが、これからもHPにて少しづつ思いを綴っていきたいと思っていますのでよろしくお願いします。
 
伝えたいこと

漆の一滴 血の一滴
研修中に先生がよく口にされた言葉である。「漆はとても貴重だから、一滴たりとも無駄には出来ないよ。」と、よく教えられました。故に私めは、作業中に残った漆や筆についた漆等を、しっかりと板に塗りつけて作品を作りました。
結構出来上がったときに面白みがありましたよ。メニュ<漆>の漆作品に壁掛けとして載せています。

チャレンジ
私が漆と関わっていく中でチャレンジしたいことがいくつかあります。
1、乾漆粉とか色漆とかまたは、自然の素材(葉や貝など)と使って自分の伝え
  たいことを表現する
2、色に対する思いがあり、より多くの新しい色を引き出したい
3、古に栄えたと言う変わり塗りをもっといろんな面で活用したいちょっとおこがましい気もしますが、私なりに頑張りま〜す♪

嵐の中
9月5日・・・台風16号がやってきて台風の目の中にいるのか、風もだいぶおさまってきた。ただいまの時間は午前2時8分。みんな夢の中。外では虫たちの鳴き声と風の音。そんな中私めは頭の中でくるくる回る`伝えたいこと’を整理することにした。
 
(1)縁
人の出会いって本当に不思議。こんなに、たくさんいる人の中から出会う人、すれ違う人、いろいろいるんだから。だから、せっかく縁した人たちは大切にしていきたい。
 
(2)ものつくりと表現者
ものつくりを通して、自分の思いをメッセージを伝えることができる状況に感謝したい。それは人により映画であったり、音楽であったり、写真であったりさまざまだ。自分の思いを感じてもらえる人たちに出会えたら最高だね。ある展示会を開いた時の話。私の作品でタイトルが「マンハッタンの夜明け」というのがあって、それを見たあるご婦人が私の所に来て「来週、ニューヨークに行くんです。マンハッタンの夜明け見てきますね。」と、おっしゃったんです。それから少しの間いろいろとお話したのですが、こうやって1つの作品を通して話が展開していくのが楽しくて、やっぱり1人でも多くの人に見てもらいたいと思うのです。そして時に人を勇気づけたり、力づけたりしたらもう最高ですね。
  
(3)若いと言うこと
それだけではちきれんばかりのエネルギーを感じる。たとえ未熟な所は多々あったとしても。だから若者よ、そのエネルギーを、無駄にはするなよ。今自分が振り返ってみてもわかるのだが、若いときにしかできない事もあるような気がする。せっかくのその時を大切にしてほしい。君たちのすがすがしさは回りの人に元気を与える?頑張れとエールを送りたい。
 
(4)私めの宝物
ちなみに、私めには4人の子供がおりまして長男(高2) 長女(中3) 次男(中1) 次女(小6)。最近お弟子さんが入ったから5名かな。というのも一緒にいると、いつも1番上のお子さん?と質問がくるので。ところで子供たちは私がちゃんと仕事をしているかが気になるらしく(そのわりには手伝いをさせるとブーブーうるさいのですが)、「母さん、仕事しないでいいの?」を連発します。次男などは母の日の絵は私が漆の仕事をしている所を書いたり、作文にも私の仕事のことを書いたりで、その作文などは学級PTAや校内放送などで読まれたりしました。少々テレくささもありましたが嬉しかったです。そういった子供たちの思いに応えられるよう続けていけたらなあと思っています。            
(平成14年現在)
庶民派
研修時代のことである。先生曰くどうも私のデザインは、金粉とかはあまり使わず地味らしい。もう一人の子は、金粉もたっぷり使っていかにも華やかだ。その時ふと言葉を漏らしました。「彼のは上流階級の人への物で、私のは庶民のためのもの」と。
私の心情としてはどういった材料を使ってこういうのを作りたいではなく、こういう材料があるからこういうのを作ったらどうだろうか、ある材料を生かしてすばらしい作品を作れればと考えています。
とにかくより多くの方に見てもらいたいし、どんなちっちゃなことでもいいから、感じた事とか見た側の言葉が聞けたら最高に嬉しいです。あなたの感想聞かしてください。

読み聞かせ
私めは読み聞かせ(本の朗読)が好きで小学校のボランティアサークルに入っている。子供たちが喜んで瞳を輝かせて聞いてくれるので、少々ドキドキしながらもすっかりハマってしまっている。
いろんな絵本に出会えることも楽しみの一つで、図書館へ通うこともこの読み聞かせのおかげで、以前よりもだいぶ多くなった。絵や文章を通して素敵な世界がそこには広がる。それは私の仕事にも多大な影響を及ぼしている気がする。皆さんも私の作品を見れば分かるのではないかな?少々幼い”夢見る少女”はやっぱりいつになっても卒業できそうに無いかも。でも、私の作品を見て夢とかロマンとかを感じて、何かを頑張ろうと思えてもらえれば最高に嬉しいです。
そして、これらの作品をストーリーや、ドラマ、思い出にのせてプレゼントしてくれればまた一味違ってくるのではないでしょうか。

漆かぶれ
漆をやるにつけ、多くの人が通らなければならない道です。私もか”かぶれ”に出会ったときは本当にびっくりした。もう痒いのなんのって!私が今まで生きてきた中で最高の痒さといっても過言でない。研修所オススメの病院へ行くと、「もう漆辞めたほうがいいんじゃない?すぐ直るよ」と言われるし・・・
経験者の先輩から、こうしたら気持ちいいよと言われた方法は即実行。熱湯をかけるとその時は、かなり気持ち良いからとシャワーで熱湯をかけていると子供たちが、「母さんこんな熱いお湯かけたりして大丈夫?」と心配されるし。またある人が、「ドライヤーの熱風も気持ちいいよ」と言ったのでやってみると、確かに気持ちはいいのだが皮膚が黒ずんできてビックリ。その人にあとでそのことを話すと、「本当にやったの?」と冷たい視線。他にも、目の周りがピンクっぽく腫れたら、「あら、兼濱さん珍しいね。アイシャドーして。」と言われたり。
 本当色々ありましたね。今でも痒くなったりしますが、だんだん慣れていくんではないかと自分で勝手に思い込んでます。痒みとの戦いはどうにか克服できたようです。結局他の人から言わせて見れば軽いほうだったみたいです。
 人によっては空気感染される方もいたり、また逆に、ぜんぜんかぶれない人もいるし。いろいろあるようです。もうこれだけで漆をやってる皆さんは話が盛り上げリ、エピソードが尽きないようです。それぐらい漆と漆かぶれは、切っても切れない強い絆で結ばれているようです。

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